MICEでハイブリッドセミナーを開催する場合の注意点

MICEとは、企業等の会議（Meeting）、企業等の行う報奨・研修旅行（インセンティブ旅行）（Incentive Travel）、国際機関・団体、学会等が行う国際会議 （Convention）、展示会・見本市、イベント（Exhibition/Event）の頭文字を使った造語で、それぞれのビジネスイベントを総称するものです。（JNTO WEBサイトより引用）MICEの誘致にむけ国内各地では招致活動・準備が実施されています。

MICEの開催においても、会場参加型、対面型と、リモート参加、オンライン配信を組み合わせたハイブリッド開催、ハイブリッドセミナーが一般的となっています。MICEでハイブリッドを成功させるには様々な配慮や準備が必要です。今回は、MICE開催を想定したハイブリッドセミナー開催の注意点を書きます。

ハイブリッドセミナーにおいて、安定したインターネット接続は最も重要な要素です。パフォーマンスの悪いネット環境は、オンライン参加者にとってストレスの原因となり、セミナー全体の評価に悪影響を与えます。　また、会場参加者がネット環境を利用して情報を収集する場合も同様です。以下の点に注意しましょう。

1. 高速なインターネット回線・モバイルルータを確保して、オンライン配信を行う。
2. 配信用にはバックアップの回線を用意し、トラブルに備える
3. 会場内でWi-Fiが利用できるか確認し、提供するWi-Fiを検討する（配信のモバイルルータとは必ず別であること）

音声は参加者がセミナーの内容をしっかりと理解するための鍵です。聞こえにくい声や会場の雑音は参加者のストレスになります。  

1. 高音質のマイクとモニタスピーカーを用意する。
2. 会場の音響設備（入出力等）が十分か、また雑音など入らないか確認する。
3. 会場内と、オンラインテストで音声チェックを必ず行う。雑音を最小限に抑える。

映像の良さはセミナーの成功を左右します。鮮明な画質は、オンライン参加者だけでなく、スクリーンを見る会場参加者にとっても理解を深めます。

1. 高解像度のカメラを使用する。映像の解像度や配信フォーマットにも留意する
2. 照明に配慮する。被写体がはっきりと見えるようにする。
3.  カメラワークでオンライン参加者と会場参加者が同様の受講体験ができるよう構成する

海外からの招待客や国際会議などグローバルなイベントで有る場合、リアルタイムでの通訳や、翻訳が必要になることがあります。

1. オンラインに同時通訳オプションを摘要する。
2. 海外ゲストのいる場合、会場内に通訳者を配置するか、同時翻訳のディスプレイを配置する。
3. 会場内や事前資料について翻訳版を用意しておく。受付担当者も翻訳アプリを活用することでスムーズなコミュニケーションを図る。

オンライン参加者も会場と同様の体験を提供することが求められます。特に、オンラインのゲストスピーカーが海外からで有る場合は、十分な配慮が必要です。

1. チャット機能などでホストはオンライン参加者に積極的なアテンドを行う。特にゲストは個別対応を行う。
2. 会場内スタッフがオンライン配信をモニタリングし、不具合があれば即時に対応する。
3. オンラインゲストがシンポジウムに参加する場合、会場内に縦型のモニタなどを配置し出席者と変わりない参加スタイルを表現する。

 参加者全員がスムーズにセミナーに参加できるよう、事前の準備や当日の運営にも配慮が必要です。

1. イベントマーケティングツール等で参加受付管理・連絡業務を効率化する。
2. セミナー中もスタッフを配置し、参加者に速やかに対応できる体制にする。オンラインもモニタスタッフを配置する
3. 会場内スクリーンやオンラインテロップに、登壇タイトルやゲストを掲載し、進行状況を把握しやすくする。

MICEの成功はおもてなし・ホスピタリティが重要視されます。それは会議やハイブリッドセミナーの運営も同様です。開催実行委員会が参加者や招致団体からの高い評価を得て、多くの会議や大会を招致できるよう、環境や実行スキームを準備しましょう。