自分たちの提供するサービス・事業の、お客様が誰であって、その市場がどこにあるのか把握することが大事です。では把握したお客様や市場はずっと変わり続けず、一定のものでしょうか。
ITコーディネータの学ぶIT経営推進プロセスガイドライン(PGL)では、「顧客・市場を明確にし,何を望んでいるのかを把握し,顧客の現在と将来にわたる要求と期待を確認すること(一部略)」とあります。
市場は常に変化し、新たな競争相手が現れることがあります。顧客の年令も少しずつ上がっていく中で、ニーズも変わってきます。顧客の現在の要求だけでなく、将来の需要も予測することが成功の鍵です。では、「現在と将来の要求やニーズ」とは例えばどのようなことでしょう。ここではITツールに絞って考えてみましょう。
現在と将来のニーズ事例
- 現在の要求:高性能なデバイスを要求 将来の要求:節電・効率の高いデバイス
- 現在の要求:パソコンにインストールするタイプのソフト 将来の要求:クラウドのソフト
- 現在の要求:セキュリティ対策を重視 将来の要求:プライバシー保護を重視
- 現在の要求:デスクトップPCを使用 将来の要求:モバイル端末を使用
- 現在の要求:リアルタイムで情報収集し予測分析 将来の要求:AIによる自動化と予測分析
- 現在の要求:データセンター内でのサーバ設置 将来の要求:分散型サーバ
- 現在の要求:SNSを活用した顧客サポート 将来の要求:仮想現実を利用した顧客サポート
- 現在の要求:テレワーク環境をサポート 将来の要求:リモートと出社両方をフレキシブルにサポート
- 現在の要求:アクセス解析からの分析 将来の要求:コンテンツそのものの分析
- 現在の要求:大量のデジタル広告 将来の要求:パーソナライズされた1 to 1マーケティング
少し前と現在、という考え方で振り返ると分かりやすく識別できますが、現在と将来、という視点にたつと難しくなると思います。自分たちの3年後、5年後は、顧客と市場の3年後、5年後でもあります。自分たちが日々を重ねて進歩していくのに、顧客と市場は変わらないということはありません。ともに変化し成長する存在として認識し、定期的な情報収集をしていきましょう。