DX(デジタル・トランスフォーメーション)を語るときに、よく話題に出てくるのが、経済産業省が平成30年(2018年)にレポートで記載した「2025年の崖」というキーワードです。この2025年の崖、という言葉だけが一人歩きしている印象もあるため、ここでは本来の引用元である経済産業省のページをご紹介します。DXとはそもそもなんであるのか、DXに取り組む理由がなんであって、どんな課題があるのか、これは現在でも活きているテーマです。検討するきっかけになれば幸いです
引用元 経済産業省(外部リンク)
2025年の崖
- 多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタル・トランスフォーメーション (=DX)の必要性について理解しているが・・・
- 既存システムが、事業部門ごとに構築されて、全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどにより、複雑化・ブラックボックス化
- 経営者がDXを望んでも、データ活用のために上記のような既存システムの問題を解決し、そのためには業務自体の見直しも求められる中 (=経営改革そのもの)
- 現場サイドの抵抗も大きく、いかにこれを実行するかが課題となっている
- この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性 (2025年の崖)。
経営面
- 既存システムのブラックボックス状態を解消しつつ、データ活用ができない場合、
-
- データを活用しきれず、DXを実現できないため、 市場の変化に対応して、ビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができず
- → デジタル競争の敗者に
- システムの維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上に(技術的負債:Technical debt:短期的な点でシステムを開発し、結果として、長期的に保守費や運用費が合流している状態)
- 保守運用の担い手不在で、サイバーセキュリティや事故・災害による システムトラブルやデータ滅失等のリスクの高まり
放置シナリオ
- ユーザ
-
- 爆発的に増加するデータを活用しきれず、デジタル競争の敗者に
- 多くの技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・継承が困難に
- サイバーセキュリティや事故・災害によるシ ステムトラブルやデータ滅失・流出等のリスクの高まり
- ベンダー
-
- 技術的負債の保守・運用にリソースを割かざるを得ず、最先端のデジタル技術を担う人材を確保できず
- レガシーシステムサポートに伴う人月商売 の受託型業務から脱却できない
- クラウドベースのサービス開発・提供という 世界の主戦場を攻めあぐねる状態に
2025年の崖(例)
- 2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要がある
-
- 基幹系システム21年以上が6割
- 2015年 IT人材不足約17万人 2025年 IT人材不足約43万人まで拡大
- メインフレーム担い手の退職・高齢化
- PCネイティブの1960年代世代が経営トップに
- 古いプログラミング言語を知る人材の供給不可
- 2024年 固定電話網 PSTN終了
- 2025年 SAP ERP サポート終了
- 2025年基幹系システム21年以上が6割
- 従来ITサービス市場:デジタル市場 2017年9:1→2025年6:4
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