経営リスクを考慮することはビジネスをすすめる上の前提で不可欠です。予想できるリスクは対応できますが、では、今実際に直面していないリスクを、具体的に想像して思い浮かべることはできるでしょうか。
想像できるリスクと想像できないリスクがある
人材不足、赤字、値上げなど、想像しやすい、直面している(しそうな)リスクならすぐに挙げられると思います。ITコーディネータのPGL(プログラムガイドライン)では「不用意に投機的リスクを生じさせないような企業活動としてリスクマネジメントを実施することが重要である。」とあります。
では、投機的リスク、不用意な経営リスクとはなんでしょうか。できるだけ想像できるように具体的に表現してみます。
シミュレーションするべき経営リスクのリスト
- 新しい分野へ進出するリスク。
- 新しい市場に進出したが、急いで準備したため、予想より需要が低かったり、市場のニーズが理解できずに失敗するリスク。
- 設備投入のリスク。
- 大規模な設備投資を行うが、投資後に市場が変動し投需要の減少がおきて無駄に終わるリスク
- 新製品や新サービス開発のリスク。
- 新製品や新サービスの開発に多額の資金を投入したが予想より売れなかったりそもそもサービス内容に対して市場が受け入れなかったリスク。
- 資産投資のリスク
- FX為替などの投資失敗。高い投資を行い資産の損失を招くリスク。
- 事業拡大のリスク
- 新規プロジェクトを急激に拡大し、仕入れ不足や社員の負荷、品質の問題が発生するリスク。
- 競合のリスク
- ライバルに対抗するための過剰な投資、囲い込みなどで収益を圧迫するリスク。
- 人材不足のリスク。
- 売上拡大後急に組織の拡大を行い、採用や教育が追いつかず質の低下やコスト増加につながるリスク。
- リーダー退職のリスク
- 急に主要な人材が辞めてしまった時のリスク
- 経営者変更のリスク
- 事前準備や周知が少ないまま経営者・役員が交替し戦略の方向性が急に変わるリスク。
- 犯罪・炎上のリスク
- 社員がSNS等で不適切な発言をしたり、法に触れる行為をしてマスコミなどに掲載された時のリスク
まとめ
想像力の欠如は時にプロジェクトを停滞させます。サービス導入に対するリスク分析はもちろんですが、様々な視点をとりいれ、外部情報を収集することにより、どれだけ具体的に潜在的なリスクをシミュレーションできるか、そんなことは現実にありえない、と思い込んでいるリスクをピックアップすることで、心構えとして十分な準備になります。対策を立てるかどうかは別として、世の中には考えつかないことも起こるのだという認識を常に持っておきましょう。