DXを進めて行くのは経営者だけの仕事ではありません。経営者から命を受け、組織内でDXを具現化させるのが「推進者」の役割です。ITコーディネータのプログラムガイドラインでは「IT経営推進者」と呼ばれています。ここでは様々なプロジェクトを進めていく人という意味も含め「推進者」と表現します。
推進者(IT経営推進者)とは
推進者の基本的なミッションは、経営者のビジョンに基づきプロジェクト(DXやビジネス変革)を推進し、実現することです。推進者は経営者のビジョンを具現化し、プロジェクトを組織内で進め、戦略を達成するための様々な役割を果たします。推進者はITリテラシーや技術的な知識を持つ専門家でなく、ビジネスにおけるコミュニケーションや洞察力を持ち合わせる必要があります。
このような人を見つけるにはどうすればよいのでしょうか。そのような重要な任務を任せる人財が社内に簡単に見つかるでしょうか。観察力が必要とされると思いますが、ここではもっとシンプルに「性格」や「スキル・能力」に絞って考えてみましょう。すべては無理でも、下記にいくつかあてはまる人は推進者にふさわしい可能性があります。
DX(IT経営)を推進できる人財とは
- ビジョン
- 目標や目的がある人。目標に向かって進むことの出来る人
- コミュニケーション
- コミュニケーション能力を持つ人 傾聴力のある人
- リテラシー
- ITやテクノロジーに対して知識または理解力のある人
- プロジェクトマネジメント実績:
- 仕事を最初から納期まで管理した経験を持つ人
- 問題解決意識
- 問題が発生した際に、冷静に状況を分析し、解決策を見つけようとする人
- 書式作成能力
- 仕様書や企画提案書を作成したことのある人
- チームワーク
- チームで行動し、協力してプロジェクトを進めている人
- 自己学習意識
- 常に謙虚で学び続ける意欲がある人
- 成功体験
- プロジェクトや仕事で成果を出した実績のある人
- 評価・資格
- 資格やスキルを取得し活用している人
まとめ
推進者は社内の人間であることも、外部招聘する場合もあります。アドバイスを行うITコーディネータとは別の立場で、プロジェクトの中枢を担う人です。推進者の成功には、組織内でのコミュニケーションやプロジェクト管理のスキルが欠かせません。経営者のビジョンを理解し、それを具現化するために能力を発揮し、その結果としてDXは成功します。
DXとは、単なるITツールの導入ではなく、組織を変革する企業の一大プロジェクトです。経営者と推進者の連携・信頼関係は不可欠です。もちろん組織を成功に導く最大の要因は企業をつくる社員ですが、ビジョンを行動・実践に移す推進者は、成功への鍵を握っています。