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なぜYouTubeショートが企業や地方自治体のプロモーションに浸透しないのか

YouTubeショートは縦型の動画プラットフォームの大きなマーケットです。動画をスマートフォンで簡単に投稿できるという利点もあります。しかし、企業や地方自治体による縦動画プロモーションの利活用が、従来のYouTube動画(横型)ほど、まだ普及していないようです。Instgram Tiktokにもいえますが、なぜでしょうか?その理由を考えてみました。

動画のチェックをモバイルで行う習慣がないから

多くの企業や自治体では、社内業務はデスクトップ・パソコンを利用することが多く、モバイルでの業務は電話やチャット、通知の確認以外、まだ普及していないところが多いです。そのため、制作会社が制作した動画を校正チェックする際には、スマートフォンではなく、パソコンで確認することが一般的です。企業や自治体にて業務用のスマートフォンを職員・社員に与えられているケースは比較的少ないと思われ(営業電話を除く)個人では視聴することがあっても、業務として縦型の動画を視聴検討する機会が少ないのではないかと考えられます。

モバイルを軸とした制作が行われていないから。

動画制作の委託を受けたチームは、横型のモニタをベースしたデスクトップでまず制作を行います。このため、モバイル端末で視聴する縦型の動画を作成する際にも、パソコン横型のモニターで作業をすることが一般的です。縦型の動画はスマートフォンでも作成編集が可能ですが、チームでの共同作業において、スマホでのデータ共有が向かないのではと思われます。

縦動画は一人でみる習慣があり、B to Bに向かないと思われているから。

多くの人は、スマートフォンでの動画を一人で視聴します。そのため、B to Bの企業や自治体の公共プロモーションとして縦型の動画は届かない可能性があります。

「動画は横型」が先入観としてあり、モバイル視聴に効果を想像できないから。

長く動画は横型で制作・視聴されてきました。大画面や施設の比率はこれからも横型が続くと思います、視聴者はその視聴方法に慣れ親しんでおり。縦型の動画に対する広告の価値を期待しにくいのかもしれません。

縦動画プラットフォームのタイムラインが広告内容に向かないから。

縦動画に特化したプラットフォームはまだ歴史も浅く、個人制作の作品が多いため、コンテンツのクオリティにばらつきがあります。作品を要約した切り抜き動画やグレーなアップロードも多く、ダンスや服装の派手な投稿が目立つこともあり、想定するターゲットに向かない可能性があります。

最終的なプレビューを横型のディスプレイで行うから

企業や自治体が制作するプロモーション動画は、上司決裁のために最終チェックをして承認を受けることが多くあります。このとき、プレビューをモバイル端末でなく、横型のディスプレイ、時には大画面のモニタで行います。縦動画をみることに、物足りなさを感じることがあるかもしれません。

まとめ

競合が少ない方が差別化しやすいので、縦動画でプロモーションを打つこと自体は良いと思います。ただし、現在の縦動画プラットフォームは、品質を問わず同じタイムラインに投稿が流れます。エンタメの動画やコンプライアンスに問題のある動画と、中小企業や自治体が一緒に情報発信することに不安もあるかと思います。

 

ビジネスの世界がスマホネイティブ中心になれば変化するとは思いますし、将来的にショート動画を選んで視聴できたり、プレイリストが自由に作成できるような多様な視聴方法ができはじめると、プロモーションの検討も進めやすいのではないかと思いますが、現状では、若者がターゲットであったり、音楽性の強いプロモーション、ダンスの要素が強いCMであれば再生回数が伸びる可能性はあるでしょう。しかし固めのテーマや企業CMはプラットフォームのファン層に合致せず視聴を敬遠される可能性が高いので 設計をしっかりと行うことをおすすめします。

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