ハイブリッドセミナーに新たな体験価値をもたらすビジネスアイデア

ハイブリッドセミナーは、現地会場開催とオンライン配信を同時に行うセミナーのスタイルです。コロナ渦においてリモート開催の技術が急速に発達し、その後も参加のしやすさ等から、現在は多くのセミナーがハイブリッド形式で開催されています。このことは、集客の拡大とともに、参加者のプロフィールや居住エリアにかかわらず、多くの参加機会を提供していることになります。

ただ、オンライン配信で視聴する理由は、都合で参加できない、遠距離である、などによる代替手段としてのオンライン参加が主流です。多くの人は、現地に行くことが可能なのであれば直接聞きたいと思います。

単に会場でのセミナーをオンラインで配信するだけでは、参加者の満足度は高まらず、従来のセミナーと変わらない、間接的に聞くのであればそれ以下にもなる、ということも言えます。

ここでは、セミナー会場での体験をベースとし、オンラインで参加することによる新たな価値を提供することで、まったく新しいハイブリッドセミナーができるのではないかという提案を行います。

例えば、貴社がセミナーで、新しいクラウドビジネスサービスを紹介するとします。このビジネスは、まだはじまったばかりで、貴社はセミナーを通じて、より多くのトライアルユーザ獲得を希望しています。このセミナーでは、サービスの紹介とともに、セミナー会場での商談やデモ操作も受け付けています。

これらは、現在よくあるハイブリッド型セミナーです。

オンライン参加者も、会場にいる参加者と同じように、サービスデモをリアルタイムに共有画面で視聴することができます。

オンライン参加者も、チャットや音声通話を使って、登壇者に質問することができます。

オンライン参加者も、会場配布されたものと同じ資料をダウンロードすることができます。

セミナー会場には、サービスの専門担当者がオンラインで待機しています。オンライン参加者の質問に対して、エキスパートはタイムリーに返信を行います。この質問は個別に行われ、公開されません。これにより、オンライン参加者は、会場にいる参加者よりも、より個別的な質問や相談をすることができ、より充実した体験になります。開催側にとっては、セミナー開催中の商談実施につながります。

WEB会議場に小部屋をつくり（zoomでいうとブレイクアウトルーム）個別のワークショップを開くことが可能です。各部屋には貴社の担当者がおり、セミナー中に与えられたミッションについて会話をしたり、同時にデモを試してみたりします。

オンライン参加した人だけが、一意のIDでその録画をみることができるようにします。よくある、アーカイブ動画をYouTubeで限定公開するのではなく、個別に視聴することによって、独自の質問や相談を送信したり、商談につなげることができます。また、アーカイブ動画に文字起こしした字幕などをつければ、視聴のリピートにもつながります。

セミナー中にオンライン参加者へトライアルIDを発行し、参加者はサービスを実際に試してみることができます。これにより、会場にいる参加者よりも、より深くサービスを理解することができます。IDは２週間有効とし、トライアル終了後のフォローアップができます。

オンライン参加者であれば、サービスの利用シーンをバーチャルに体験することができます。画面をみていると、エキスパートが操作するサービス利用の様子が共有されます。これは、登壇者や参加者が自分でやるよりスムーズで、会場にいる参加者よりも、より早く・リアルにサービスを体験することができます。

オンライン参加者であれば、講演中にサイドメニューにでるゲームやクイズに参加できます。サービスについて学びながら、受講後にもらえる特典や景品を選ぶことができます。会場ではノベルティグッズをもらう機会が多いですが、オンラインではグッズをもらう機会は多くありません。ここでは選択制のノベルティギフトを後日郵送するようにします。これにより、参加者はプレミアム感を体験でき、主催者はDM配信のフローが一つ獲得できます。

これからのハイブリッドセミナーは、会場と同じ体験価値を、ただオンラインで配信するものではなくなると思います。

セミナー会場での体験をベースとし、オンラインで参加するからこそ受け取ることのできる新たな体験、来場者には受け取れない価値を提供することで、同じセミナーでありながらまったく新しい提案ができる可能性を、ハイブリッド型セミナーは秘めています。

ひとつのイベントでふたつの開催方法が実施できることを、参加方法の選択肢だけでなく、提供ソリューションの拡大として捉え、ハイブリッドセミナーからの顧客獲得を実現させてください。